コピーライターの左ポケット

左のポケットからは
思いがけないものがでてきます
役に立たないけれど捨てられない
自分にだけたいせつなものです

「コピーライターの左ポケット」は
RADIO BERRY-76.4☆FM栃木の
日曜日22時からの番組「柴草玲のイヌラジ」の
小さなコーナーでした
コピーライターがストーリーを書き
柴草玲さんが音楽をつけながら朗読をしてくださり
5年の長きにわたって続けることができました
番組の最終回は2015年3月29日でした
お聴きくださった皆さま、このサイトを訪問してくださった皆さま
ありがとうございました

なお、原稿と音声のみをご覧になりたいかたは
裏ポケットへどうぞ ↓
http://02pk.seesaa.net/



2014年11月09日

永友鎬載 2014年11月9日放送

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2114

          永友鎬載

西暦2114年、宇宙船に乗った私たちは、
惑星ウーダの調査を終えて、約20年ぶりに地球に帰還しつつあった。

長い旅路だった。命がけとも言える調査は、想像以上の大成功を収めた。
その成果は人類に、とてつもなく大きなリターンをもたらすだろう。
調査団も莫大な富や地位、名声を得ることになる。

だが、そんなことより、私は一刻も早く家族に会いたかった。
昨年、通信機器に原因不明の異常が発生し、地球との交信が途絶えていたのだ。

妻は元気だろうか。彼女がつくるオムライスを早く食べたい。
出発前、幼稚園児だった一人娘は、もう立派な大人だ。
映像通信では何度も話していたが、実際に会ったら照れくさくて、会話に困りそうだ。

しばらくの間、家族と会える喜びに浸っていたら、
真っ暗な宇宙にようやく地球が見えてきた。
歓声を上げる調査団一行。
だが、近づくにつれ、私は思わず目を疑った。
「あっ。ち、地球が青くない…!」

船内に動揺が走った。目の前の星は本当に地球なのか。
しかし、ナビゲーションは地球だと正確に指し示している。

着陸態勢に入り、宇宙船は地表に降り立った。
急いでハッチを開ける。空はスモッグに覆われていて、
空気は淀み、水も緑もない。見渡す限り、灰色の世界だ。
同僚がつぶやいた。「まるでここは、砂の星じゃないか…」

私たちは街へと急いだ。建物はすべて損傷し、今にも崩れ落ちそうだ。
ビルの中を見に行った同僚が戻って来て、大声で叫んだ。
「誰もいない!チリやホコリで真っ黒だ!」

家族が心配になり、私は家まで全速力で走った。
20年ぶりのわが町だが、懐かしがる余裕などなかった。

私のマンションが見えてきた。
古びてはいるが、大きな損傷はなさそうだ。
ホコリまみれのエントランスを抜け、階段を駆け上がる。
チリが舞い、呼吸するのさえ苦しい。
玄関に着き、私はおそるおそるドアを開けた――。
「あーーーー。……部屋がきれいだ」

私の帰りを待っていたのは、
ロボット掃除機「ルンバ」だった。


出演者情報:柴草玲 http://shibakusa.kokage.cc/


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2014年11月08日

紅葉が終わって寒くなったら温泉がうれしい(栃木の秋 6)

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紅葉が散ると栃木の山は一気に寒くなります。
そこで温泉です。
栃木には温泉がたくさんあります。
宇都宮市内にもあるくらいですから。

冬の温泉計画、いまからどうぞ。
栃木の温泉http://www.tochigi-onsen.com
タグ:栃木の秋
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2014年11月04日

スタバはすでにクリスマス

今、スタバにいるのですが、
もうクリスマスモードになっていますよ。
店内のいたるところに赤い装飾がちりばめられています。
メニューにもクリスマスブレンドなるものが増えていたので、
さっそく注文してみたところ、紙コップも赤いです。
でもまだ早くないっすか?
クリスマスまで50日はありますよ。
さすがのサンタもまだなんの準備もしていないと思うのですが。
まだクローズ状態。
サンタの家の玄関には「準備中」の札がかけられているはずです。

とここまで書いて、「サンタクローズ」という
ダジャレを思いつきましたよ。
「クローズ」という不良たちの漫画がありますよね。
それを下敷きにした「サンタクローズ」という
不良なサンタによる学園漫画はどうでしょうか。
白いあごひげをリーゼントにした不良サンタが、
改造したトナカイで授業中の学校に乗り込んできて、
子供たちにプレゼントするはずだったプレイステーション4を振り回して、
これはゲームじゃねーんだよ!と叫びながら、
ライバルたちをぼこぼこにしていく。
最初は真っ白だった不良サンタの学ランは、
ライバルたちの返り血と自らの血でどんどん真っ赤に染まっていき、
なぜサンタの衣装は赤いのか、その真の理由が明らかになり、
漫画サンタクローズドの第一部は完結です。

第二部は、サンタの存在を信じない転校生が都会から
やって来るところから始まります。
そいつは、転校初日から「お前まだサンタなんか信じてんの?」と周囲を煽り、
味方につけ、あっという間に一大勢力を築き上げます。
勢いづいた転校生は、サンタの命の次に大事な改造トナカイを奪い、
頭部を壁掛けのオブジェにしようと斧を振り上げる。
そこにサンタが助けに現れる。しかし逆に囚われてしまう。
それは転校生による陽動作戦だったのですね。
ここからが、第二部の、いや、この漫画全体のクライマックスです。
サンタが所属していた老人会のメンバーたちによる救出劇の末、
最後は、サンタによる渾身のプレイステーション4による一撃で
転校生とその一味はふっとぶわけです。
キメ台詞的に「サンタは信じなくてもいいけどよ、
俺たちの友情パワーは絶対なんだよ!」
みたいなことをあごのリーゼントを整えながらサンタが言えば、
シルバー世代の共感を得られるかもしれません。
その後日談として、そんなごたごたで慌てたサンタが、
間違ってクリスマスの前にプレゼントを配ってしまい、
あわてんぼうのサンタクロースがなぜ慌てていたのかの理由が明らかになる。
そんなオチも考えられますね。(う)

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2014年11月03日

「RADIO BERRY - 76.4FM | FM栃木」のfacebookができてます

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RADIO BERRY の facebook ができています。
https://www.facebook.com/RADIOBERRY/timeline
公開録音の写真や、イベントの案内、ん?花火の写真に紅葉の写真も。
あっそうだ、11月1日と2日は餃子祭りもやってたんだ。
ううむ、今年も行き損なったぜ。しまったぜ。

このfacebookはマメにチェックする必要がありそうです。

タグ:RADIO BERRY
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いろは坂の紅葉見物は渋滞がうれしいかも(栃木の秋 5)

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11月最初の連休は、いろは坂が大渋滞だったそうですね。
絶景のドライブポイント、しかも紅葉の見頃とあっては
無理もありません。
お急ぎのかたには迷惑と思いますが、
むしろ渋滞しているくらいの方が
ドライバーのかたもゆっくりと紅葉を眺められるのではないでしょうか。

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さて、上の写真は矢板市の宮川渓谷ですが、
いろは坂が紅葉を見下ろす絶景だとすると
こちらは渓谷から紅葉を見上げて楽しむポイントです。
紅葉はいろんな楽しみかたがありますね。

栃木の紅葉の名所はたくさんあります。
11月中旬から下旬にかけてのポイントもありますから
調べてみてくださいね。


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2014年10月26日

小松洋支 2014年10月26日放送

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脱出
               小松洋支

天井で赤いランプが点滅し、サイレンがけたたましく鳴っている。
先ほどの衝撃が、なにかトラブルを引き起こしたに違いない。

コクピットの後ろのドアがひらき、
いつもの滑るような動作で、ロザリンドが入ってきた。

「1分02秒前、小型の天体が左舷をかすめました。
防御センサーにより衝突は回避しましたが、
天体に角(つの)のような突起が出ていたらしく、
それが推進機にぶつかった模様です」

ロザリンドの電子音声は、いつも通り冷静だ。

「推進機能が損なわれたため、退避が必要です。
エマージェンシーカプセルを切り離しますので、至急移動をお願いします」

わたしはロザリンドをじっと見た。
もう型番が古くなったボディは、表面に細かい傷がたくさんついている。
転倒防止装置がまだ外付けになっている時代の、
アーデン社製造のものだ。

わたしたちの任務は、希少ガスのアルゴンを探すことだった。
数えきれないくらいの銀河をめぐった。
母船が探査ポイントに着くと、
わたしたちのようなリトルシップがいくつも飛び出して、
周囲に散らばる星の大気を収集してまわり、母船に届ける。
そんな旅を30年も続けた。

「ロザリンド、お前とはずっといっしょだったな。
危険な目にもずいぶんあったが、
いつもお前の的確な判断で救われた。
お前がいなければ、いまわたしは、ここにはいない」

サイレンが鳴り続けている。

「そんなわたしも、もう70を越えた。
心臓に重い持病がある。
母船に帰ってもそう長くはもたないだろう。
だが、お前は違う。
メンテナンスすれば、まだまだ働ける。
カプセルの収容人数は1名。
乗るのはお前のほうだ」

ロザリンドは、わたしの話を
まるで聞いていなかったかのような応答をする。

「推進力が失われたので、質量の大きな星 Z 13(ゼータイチサン)の重力が
本機を引き寄せ始めています。
エマージェンシーカプセルへの移動をお願いします」

機体が大きく前へ傾く。

「もう一度言う。カプセルにはお前が乗れ。
これは命令だ」

ロザリンドはフリーズしたかのようにしばらく動かなかったが、
やがて向きを変え、のろのろと進み始めた。
わたしは、その後ろ姿を見送っていた。

ドアの前で、ロザリンドはふりむいた。
同時に、金切り声のような音が、サイレンをかき消すほど高くコクピットにこだました。
透明な強化樹脂で覆われたロザリンドの頭に、
非常ランプの赤がちらちらと反射していた。


出演者情報:柴草玲 http://shibakusa.kokage.cc/
タグ:小松洋支
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紅葉がいろは坂を下る(栃木の秋 4)

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紅葉がいろは坂を下っています ↑
華厳の滝や中禅寺湖あたりの紅葉もまだ美しいそうです。
下は湯西川。山里の秋はほんとうにキレイですね。

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タグ:栃木の秋
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2014年10月19日

細川美和子 2014年10月19日放送

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おにぎりコロコロ
                        
     細川美和子

おべんとうばこからとびだして
おにぎりはたびにでた
じぶんをにぎってくれた
おかあさんをさがすたびだ
おかあさんのてはあたたかかった
あつあつのじぶんに
まけないぐらいあたたかかった
あなたはぼくのおかあさんですか?
おにぎりはいのししにきいた
グフグフとにおいをかいで
いのししはいってしまった
あなたはぼくのおかあさんですか?
グヒグヒとにおいをかいで
ヒグマはいってしまった
あなはたぼくのおかあさんですか?
スピスピとにおいをかいで
うさぎはいってしまった
コロコロするのにも
つかれはてたおにぎり
もうのりもほどけ、おこめもほどけ、
そろそろおにぎりでもいられなくなってきた
もうろうとするなか、
さいごのチカラをふりしぼって
おにぎりはきいてみた
あなたはぼくのおかあさんですか?
バクリ
おにぎりはたべられた
バクバクとたべられた
あたたかいおなかのなかでおにぎりはやっと
おかあさんのところにかえってきたことをしった


出演者情報:柴草玲 http://shibakusa.kokage.cc/
タグ:細川美和子
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2014年10月12日

中村直史 2014年10月12日放送

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「風の声」

     中村直史(なかむら ただし)

父のことを尊敬していた。年をとっても、いつも夢見がちなところがあって、
そこが好きだった。あまり家にいる人ではなかった。知らないうちに、いろん
な場所を旅していて、文学や音楽にもくわしかった。子どもに対して、ああし
ろこうしろと言うこともなかった。そのぶん、諭されたり、アドバイスをして
くれる時は、胸に響くものがあった。ただ、アドバイスといっても、ほんとう
にそれが私へのアドバイスだったのか、それとも独り言を言っていたのかは、
よくわからない。今思えば、私の生きている現実と、父の生きている現実は少
し違ったのかもしれない。父はよくこう言った。「迷った時は、風に聞いてみ
るといい」。風に聞く。意味はわからなかったが、私の胸に響いた。あとは、
こんなこともよく言った。「幸せは、いつだってお前の手の中にある。幸せは
手に入れるものじゃなくて、ただ気づくだけのものなんだ」。月日は流れた。
父ももうこの世にはいなかった。私はたくさんの人生の荒波をこえ、たくさん
の迷いに直面してきた。今日もまた、迷いを抱えた私は、父とドライブした岬
の崖の上に立って、しずかに風の音に耳をすませていた。私は風に語りかけた。
私はこれから、どうすべきだろう?びゅーびゅーと風は崖のうえを吹き抜けて
いく。風の声が私の心の中で響いた。「あるがままに」。風がさらに吹き抜け
る。別の声が心の中にこだました。「世界が奏でる音楽とダンスするんだ」。
私は風に聞いた。「あるがままに?世界の奏でる音楽?」「そう、あるがまま
に。答えはもうキミの中にあるのだから」。私は目を閉じると、風に向かって
答えた。もう・・・もう、そういうオシャレっぽいのはいいから。オシャレっ
ぽくて、もったいぶっていて、少しスピリチュアルな、そしてだいたいは、自
分らしくあればいいみたいな結論の、そういうやつは、もうほんといらないか
ら。俺もう48だから。気づけば私は大声を出していた。デートにきていたカッ
プルが何事かとこちらを見つめている。吹きつづける風に私は大声で叫んだ。
「もっと具体的に!」。風はもう私に答えてはくれなかった。


出演者情報:柴草玲 http://shibakusa.kokage.cc/


タグ:中村直史
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幻の滝の紅葉(栃木の秋 3)

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那須高原の駒止の滝は、幻の滝と呼ばれていたそうです。
音はすれども姿は見えず。
滝を見ることができるのは宮内庁管轄の場所だけでした。
いまは展望台(観瀑台)ができ、近くには駐車場もあります。

上下の写真は、FM栃木那須支社長の田辺さんです。
ちょいと無断で借用してきました。
秋の那須高原、素晴らしいですね。

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posted by ポケット社 at 15:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | ポケット社通信 | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする