コピーライターの左ポケット

左のポケットからは
思いがけないものがでてきます
役に立たないけれど捨てられない
自分にだけたいせつなものです

「コピーライターの左ポケット」は
RADIO BERRY-76.4☆FM栃木の
日曜日22時からの番組「柴草玲のイヌラジ」の
小さなコーナーでした
コピーライターがストーリーを書き
柴草玲さんが音楽をつけながら朗読をしてくださり
5年の長きにわたって続けることができました
番組の最終回は2015年3月29日でした
お聴きくださった皆さま、このサイトを訪問してくださった皆さま
ありがとうございました

なお、原稿と音声のみをご覧になりたいかたは
裏ポケットへどうぞ ↓
http://02pk.seesaa.net/



2015年03月13日

男気

先週の木曜日の午後。
突如、中山さんと飲まないといけないと思いました。
なぜだか分からないけれど、
最近のあれこれを中山さんに話したり、
中山さんから聞いたりしなければいけないという思いが、
急に猛然と胃のあたりからこみ上げてきたのです。
それは、深夜、ひとりで飲んでいると、
アニメ版めぞん一刻のエンディングテーマだったピカソの
「シネマ」という曲を聞きたくて仕方なくなり、
延々とリピートしまうことがあるけど、
そのときの衝動と似ていたかもしれません。
ときどき、耳の裏にこびりついている垢を取ることに
夢中になり過ぎて血が出てかさぶたになって、
その後三日間くらい後悔することがあるけど、
そのときの衝動とも似ていたかもしれません。
そんな正体不明の衝動にかられたぼくは、その日の夜、
失礼ながらも中山さんを三軒茶屋まで呼びつけてしまいました。

久しぶりに会った中山さんはあいかわらずの喫煙家で、
口のなかで工場を経営しているかのように
ひっきりなしに煙をはきつづけていました。
吸っていないときは、
工場の奥には砂漠が広がっているかのように
ハイボールをがばがばあおっていました。
吸っていなくて、飲んでもいないときは、
鋭い言葉で世の中をスパスパ切って捨てていました。
口のなかの工場では、刀か包丁を製造しているに違いありません。
そんな中山さんを、
ぼくはカープの黒田博樹のピッチングを見ているときのような
気分で眺めていました。
つまり、男気を感じていたのです。
高額年俸を蹴ってヤンキースからカープに移籍した黒田の
男気と同じものを、僕は中山さんから感じ取っていたのです。
というか、吸収していたという方が近いかもしれません。

残念ながら男気を自家発電できない僕は、
こうやって何ヶ月に一度は中山さんと飲みながら、
男気をお裾分けしてもらわないといけないのです。
突然の中山さんと飲みたい衝動の正体は、
男気のチャージ不足のお知らせだったのかもしれません。
その日の夜は、よく飲みました。
いただいたばかりの新鮮な男気を利用して、
ハイボールをギガジョッキでいただきました。
巨大なジョッキを持つ左手の上腕二頭筋の
盛り上がりを感じながら、
ぼくらしくないなあと思っていました。(う)
posted by ポケット社 at 19:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | ポケット社通信 | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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