左のポケットからは
思いがけないものがでてきます
役に立たないけれど捨てられない
自分にだけたいせつなものです
「コピーライターの左ポケット」は
RADIO BERRY-76.4☆FM栃木の
日曜日22時からの番組「柴草玲のイヌラジ」の
小さなコーナーでした
コピーライターがストーリーを書き
柴草玲さんが音楽をつけながら朗読をしてくださり
5年の長きにわたって続けることができました
番組の最終回は2015年3月29日でした
お聴きくださった皆さま、このサイトを訪問してくださった皆さま
ありがとうございました
なお、原稿と音声のみをご覧になりたいかたは
裏ポケットへどうぞ ↓
http://02pk.seesaa.net/
▼
コピーライターの左ポケット
▲
2015年03月29日
上田浩和 2015年3月29日放送

そのベレー帽のなかは
上田浩和
そのベレー帽のなかは、どうなっているのですか?
柴草さんはよくそんな質問をされるそうです。
自分のトレードマークになっている緑色のベレー帽を、
柴草さんは、これまで一度だって人前で脱いだことがないし、
その理由を語ったこともありません。
だから、みんなが気にするのも当然です。
しかし、このイヌラジも、今日が最終回。
最後の最後に、柴草さんのベレー帽のなかの秘密を
教えてさしあげようと思います。
でも、今から言うことは誰にも言ってはいけませんよ。
特に警察関係者の方にはね。
実は、あのなかには、ある人がかくまわれているのです。
「かくまう」という言い方をしたからには、なんらかの犯人です。
そう。勘のいい方はもうお気づきかもしれませんが、
あの三億円事件の犯人です。
柴草さんは、ベレー帽のなかに、
戦後最大の謎とされる三億円事件の犯人をかくまっているのです。
犯人は、いつも柴草さんの髪の上に寝転んで、
柴草さんから差し入れられる三度の食事のとき以外は、
日がな一日空を見上げてすごします。
空と言っても、犯人にはベレー帽の内側の暗闇しか見えませんから、
柴草さんはベレー帽に穴を開けました。
誰もが虫食いだと思うその穴は犯人のための明かり取りなのです。
星空の下にいるように感じられるように、
穴の配置と数には気を配ったそうです。
その明かりを利用して、読書をして欲しいと思い、
定期的に本を差し入れするそうですが、
返却されてくるものには必ず読んだ形跡があるので、
柴草さんは、いつもほっと胸をなで下ろすと言います。
肝心の盗んだ三億円は、百枚ずつ丸めて、
柴草さんの頭皮中の毛穴のなかに詰め込んで隠してあります。
その詰め方といったらこの上なく厳重で、
テレビで派手に宣伝している
毛穴の汚れをごっそり落とすシャンプーを試してみても、
ぜんぜん取れることがないそうです。
すごいですね。
いったい犯人はどういう詰め方をしているのでしょうね。
そもそも、なぜ柴草さんが
三億円事件の犯人の世話をすることになったのか。
しかも、ベレー帽のなかに。そしてそれが誰なのか。
そのあたりのことはまだ僕も聞けていません。
つまり、柴草さんのベレー帽のなかには、
戦後最大の謎が隠されているというわけなのです。
ですから、みなさん。この先、街で柴草さんを見かけても、
「そのなかはどうなっているのですか?」なんて
気軽に聞いてはいけませんよ。
出演者情報:柴草玲 http://shibakusa.kokage.cc/
タグ:上田浩和
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック