コピーライターの左ポケット

左のポケットからは
思いがけないものがでてきます
役に立たないけれど捨てられない
自分にだけたいせつなものです

RADIO BERRY-76.4☆FM栃木で
日曜日22時からお送りしている番組「イヌラジ」に
コピーライターがつくる小さなコーナーができました
名付けて「コピーライターの左ポケット」

コピーライターの左ポケットから
でてくるストーリーを
お聴かせできればと思います

なお、原稿と音声のみをご覧になりたいかたは
裏ポケットへどうぞ。http://02pk.seesaa.net/



2012年12月31日

5月の放送予定


5月6日 北田有一
5月13日 小松洋支
5月20日 細川美和子
5月27日 上田浩和
タグ:ポケット社
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2012年05月18日

栃木の春 14 やがて来る初夏

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6月も半ばになると奥日光にも新緑がやってきます。
上の写真は湯の湖、下は湯川。

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戦場ヶ原の白樺も新しい緑の服を着ています。

春から初夏へ、山の季節は駆け足で過ぎていきます。
お見逃しなく(さ)
タグ:栃木 初夏
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2012年05月16日

テからはじまる

先日、久しぶりに中山さんと会った。
ラジオCMの収録があったのだ。
先週の木曜日だった。
中山さんはあいかわらず元気そうで、すぱすぱ煙草をやっていた。
すごい煙の量だった。
あれが機関車なら相当なスピードで駆け抜けたに違いない。
骨折の具合はだいぶよさそうだった。
ふつうにスニーカーを履いて歩き回る中山さんの姿にぼくは、
なーんだ、と思ってしまった。
なーんだ、のあとには、ちょっとつまんない、の
一言が隠されている訳だが、そんなことを書くと、
怒られてしまうかもしれないので、書かない。やめておく。

今日は、久しぶりに金井くんと会った。
髪を切ったばかりのようだった。
これまではサイドを刈り上げ真ん中を立たせてくしゃっとさせた
いわゆるソフトモヒカンが金井くんのトレードマークであったが、
新しい髪型ではセンターをやや寝かせ気味にしている。
でも顔つきは相変わらずの旧型だ。
昭和の顔で笑ったり怒ったりレイアウトしたりしていた。
金井くんも元気なようだった。
また太ったように見えたが、それは置いておこう。
今日、金井くんにひとつの質問をした。
今年の2月3日にあった金井くんの送別会で、
ぼくら同期は、金井くんの下半身を喜ばせるために、
テからはじまる大人の自慰グッズをプレゼントしたのだが、
ぼくはあれがどうなったのか気になっていたので、
「あれ、どうしたの?使ったの?ねえ、金井くん」
と聞いたのだ。
使ってない、と少々照れながら金井くんは言ったが、
嘘ではないようだった。
じゃあ、あれどうしたの?と重ねて聞いたら、
家族の待つ家に持って帰るわけにもいかないので、
近所の教会に寄付したとのこと。
それを聞いてぼくは、ほんとうは捨てたんだろうな、と思った。
捨てるくらいならぼくにくれればよかったのに、とも思った。(う)
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2012年05月14日

栃木の春 13 ツツジの見頃は

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写真は第二いろは坂の明智平のツツジです。
アカヤシオという種類だそうです。
いまがちょうど満開といったところでしょうか。

ここがさかりを過ぎても大丈夫です。
見頃はどんどん上に登っていきます。

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中禅寺湖へ近づくと(上の写真)
やっと咲きはじめです。
まだまだこれから長く楽しめそうです(さ)

タグ:ツツジ 栃木
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2012年05月13日

小松洋支 2012年5月13日放送

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写真:君和田貴子 http://www.flickr.com/photos/1q89/



          小松洋支

その場所には、大きな四角い箱がいくつもならんでいました。
箱は鉄板でできていて、前がガラス張り。
中には照明が仕込んであるらしく、明りが洩れていました。

ある日の夕暮れ、おじいさんとおばあさんが、そこにやってきました。

おじいさんは鳥打ち帽をかぶり、古びた革の上着を着ていました。
おばあさんはすり減った木靴をはき、色のあせたショールで肩をおおっていました。

ふたりは、ならんだ箱を順番に見て回りました。

ときおり顔を見あわすこともありましたが、
黙ったままうなずいたり、首をふったりするだけでした。

ひとつの箱の前で、おじいさんが立ち止まりました。
じっとガラスの中を見つめています。
手を顎に当てて、なにか考えこんでいる様子です。

おばあさんは、少し離れたところで別の箱に見入っていました。

「おばあさん」
おじいさんが目の前の箱を見つめたまま声をかけました。
「わしらはいくら持っていたんだっけね」

おばあさんは手提げ袋から財布を取り出して、振ってみせました。

「きのうまで何度も数えたじゃありませんか。 358ペソアですよ」

おじいさんは、歩み寄って
おばあさんが見ていた箱に目をやりました。

おじいさんの額に悲しげな皺がうかびました。

「おまえが女の子を望んでいるのは、わしもよく知っている。
戦争で死んだ息子のことを思い出させるから、
男の子を育てるのはつらい、ということも分かっとるつもりじゃ」
おじいさんは、地面に視線を落としました。

「だがな、この女の子は400ペソア、あっちの男の子は350ペソア。
女の子の服は、あたらしく買わねばならんが、
男の子の服なら、まだタンスにある」

おばあさんは、ため息をつきました。
そして、財布をそっとおじいさんの手に渡しました。

金貨3枚と銀貨1枚。おじいさんが児童販売機に入れると、
ジーッ、ガタン、と音がして、箱の下にあるドアから
ちいさな裸の男の子が出てきました。

一歩二歩 近づいて、おじいさんとおばあさんを見あげています。

おばあさんは目に涙をため、しゃがみこんで
ショールで男の子を包みました。

男の子は、はずかしそうに、すこしだけ笑いました。


出演者情報:柴草玲 http://shibakusa.kokage.cc/
タグ:小松洋支
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栃木の春 12 日光の新緑

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上は昨日、つまり2012年5月12日の写真です。
日光の新緑です。
赤い橋は二荒山神社の神橋です。
赤と緑のコントラストがキレイです。

日光には二社一寺といって
ふたつの神社とひとつのお寺があります。
二荒山神社、日光東照宮、日光山輪王寺です。
ちなみに、まとめて世界遺産です。

ここからいろは坂を登って中禅寺湖あたりは
まだ桜の季節。日光は面白いです。(さ)
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2012年05月10日

栃木の春 11 桜がいろは坂を登っている

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桜がいろは坂を登っています。
いろは坂から中禅寺湖へ
戦場ヶ原を越えて奥日光湯元温泉へ。

ドライブすると
季節がどんどん逆行していく面白さがありますね。
いま奥日光湯元温泉の最高気温が14℃くらいです。
桜の季節だな〜(さ)
タグ:いろは坂
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2012年05月06日

北田有一 2012年5月6日放送

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わたしは、優勝できなかった。

                   北田有一

社交辞令の世界大会は、毎年、タイのパタヤで開かれる。
世界中から集まった選手が社交辞令を交わし、
その技を華麗に競い合う。

わたしは六本木のクラブでホステスをしていた時に、
お客さんからスカウトされた。
はじめは失礼な客だと思ったが、10年に1度の逸材だと言われ、
彼の熱心な口ぶりに負けた。
いま思えば、それも社交辞令だったのかもしれない。

とにかく暇つぶしとして無料体験レッスンに行ってみた。
先生からも才能があると言われ、上級クラスを薦められた。
小さい頃から、容姿以外を誉められたことのなかったわたしは、
悪い気がしなかった。

3年くらい勉強を続けると、もう先生と呼べる人はいなくなった。
塾長から教える側にまわらないかと誘われ、ホステスを辞めた。

あれから10年。
恋愛も結婚もせずに、社交辞令のトレーニングを続けた。
ついに念願の、日本代表にも選ばれた。

しかし、体力の限界だった。
社交辞令を長く続けていると、なぜか不眠症になるのだ。
どこの国の選手に聞いても同じ。
ぐっすり寝ているのは、きっと、イタリア人くらいだろう。
彼らは、サッカーの世界で言うところのブラジルだ。
言葉を覚える前に、社交辞令を覚えたといっても過言ではない。

でも、わたしにはもう無理だ。
最後に優勝して、きっぱり引退しよう。
そう心に誓って、タイへ向かった。

本戦は、さすがの強者揃い。
社交辞令には細かく分けると12のパターンがあるとされているが、
試合時間20分の中で、すべてが出つくすこともあった。

わたしは、得意技の「ビッグマウス・ドロップ」という
上から目線の高度な社交辞令を武器に、なんとか決勝へ進んだ。

しかし、決勝の相手が悪かった。オランダのニコラスである。
わたしが最も苦手な「スマイル&アクション」という
カラダ全体を使って表現するタイプの社交辞令選手だ。

始めは互角に戦っていたが、
後半になると彼の社交辞令がボディブローのように効いてきた。
わたしの心は折れてしまった。

試合が終わると、ニコラスが私のところへ来た。
ひと通りの社交辞令を述べたあと、「また来年も会おう」と言った。

わたしは、「二度と来たくありません」と正直に答えた。
ニコラスは一瞬だけ怪訝そうな顔をしたが、すぐに笑顔に戻った。

わたしは、優勝できなかった。
でも、今夜はよく眠れそうだ。


出演者情報:柴草玲 http://shibakusa.kokage.cc/
タグ:北田有一
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2012年05月03日

キハに乗って会津の山の温泉に行きました

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キハといってもピンと来ない人には何の魅力もないのですが
私の場合はキハというコトバをきくとローカル線が浮かびます。
キハに初めて乗った、というか
キハをキハをして意識して初めて乗ったのは数年前の只見線でしたが
去年、陸羽西線に乗ったときもキハで
おお、キミはここにもいるのかとたいへんなつかしい気持ちになりました。
次に乗った北上線もキハでした。
私が乗ったすべてのキハは二両編成のワンマン運転で
通過する駅はほとんど無人駅です。

今回もまた只見線のキハに乗りました。
お決まりの二両編成のワンマン列車、無人駅だらけの路線です。
今年は春が少し遅れているせいか満開の桜、桜。
山中には溶け残った雪もちらほら見えます。

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キハはおそらく乗客の少ない赤字路線を走ることが多いので
車窓の景色が素晴らしいのです。

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おかげで列車に乗りながら花見までしてしまいました(さ)

只見線:http://www12.ocn.ne.jp/~sakura28/index.html
タグ:キハ 只見線
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どこにも行かない

大きなテーブル席を3組の男女が囲んでいます。
白髪まじりのちゅるちゅる頭のおじさんが、
きれいな女性から中国語のレッスンを受けています。
女「まー」男「まー」としか言わないから中国語かどうかは
確かじゃないけど、語尾を下げたりあげたり難しそうです。
その二人からひとつ椅子を挟んだ席では、
ぱつんぱつんに太ったお兄さんがパソコンに向かっています。
ミニクロワッサンみたいな指で画面をスクロールさせながら、
誰かのブログを読んでいるようです。
デスクトップの写真はなにかのクルマです。
さらにその隣にはホスト風の男が足を組んで座っています。
髪がさらさら小川のように長く顔がしゅっとしていて、
駒込の空気感とはそぐわない感じです。
ここは、駒込のドトールの2階。
さえない人々が、
せっかくのゴールデンウィークなのにどこにも行かず、
時間を無駄にしています。
それはぼくも同じで、彼らから少し離れた窓際の席に座り、
iPodでパフュームを聞いているところです。
「コミュニケーション」という新曲がなんともかわいい歌詞でして、
コミュニケーションぷるぷるつんつん。
リピートで聴いてるとなんだか泣けてくる不思議な曲です。
きょうぼくが着ているTシャツはですね、ボーダーです。
去年行ったユニコーンのライブ会場で買った物です。
サイズはLでちょうどよかったです。
聴いてるのはパフュームで、
着ているのはユニコーンというわけです。
どっちが好きなの?と聞かれたらユニコーンですかね。
一曲歌いましょうか。大迷惑。

町のはずれで
シュヴィドヴァー
さりげなく
夢にまで見たマイホーム

なんてね、奥田民生のモノマネ入りで歌わせていただきましたが、
いかがでしたでしょうか。似てた? 似てなかったかあ、そうか、残念。
音はずしてた? そっかあ、それは失礼しました。
まあ、似てるか似てないかは別にして、
音をはずすかどうかも置いといて、
耳で聴いているのと別の曲を口で歌うというのは、
これはなかなかたいへんなことです。
おいホスト風の男!きみもホスト風なら脅威のタンバリンテクで
この場を盛り上げて見なさい。まったくもうとぶつぶつ言っておりますと、
何やらテーブル席のあたりがざわついております。
中国語のレッスンそっちのけでちゅるちゅる頭が口を半開き状態で、
指がミニクロワッサンの男も明らかに動揺してる感じです。
なになにどうした。どうしました?
全員の視線は、ぼくの背後にあるようですが、まさか!
ご本人登場のサプライズ?
と自分の背後を振り返ってみても、
そこに奥田民生がいるわけはないのです。
ここはドトールですからね。しかも駒込の。
そこには大きな窓があり、その向こうに
いかがわしい中国マッサージのピンクの看板が見えるだけです。

こんなこと書いてないで、
せっかくのゴールデンウィークなんだから、
ぼくもどこかに行けばいいのに、
ぼくはどこにも行かないんだよなあ。
「雨降ってるし」とか「『枕が変わってもするこた同じ』
と大迷惑のなかでも奥田民生は言うし、
だったら駒込にいればいいじゃない」
などと言い訳ばかり考えて結局時間を無駄にしてしまうのでした。(う)
posted by ポケット社 at 11:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ポケット社通信 | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする